FP3級金融資産運用編ー債券

債券とは

 発行者が投資家から資金を借りるために発行する借用証書

発行者

  • 国である場合は国債
  • 都道府県である場合は地方債
  • 企業であれば社債
    • 事業債

国際、地方債、社債をあわせて公社債という

債券には償還期限がある(満期)

  • 定期的に利子を受け取ることができる
  • 償還期限まで保有すると額面金額で返済される
  • 償還前にいつでも時価で換金することができる
    • 時価:その時点での価格

債券の条件と特徴

額面金額(債券の売買単位)

  • 額面とは
    • 債券一枚ごとの券面上に表示されている10万円、100万円といった金額のことをいう
  • 債券が償還(満期)になったときに
    • 額面金額が払い戻される

債券の単価(価格)

  • 額面100円あたりの価格が表示される

債券の発行価格

  • 100円の場合を
    • パー発行という
  • 100円より高い場合を
    • オーバーパー発行という
    • 差額分の損失を償還差損という
  • 100円より安い場合を
    • アンダーパー発行という
    • 差額分の利益を償還差益という

債券の利率(表面利率)

  • 額面に対する1年あたりの利子の割合を利率(クーポンレート)という
  • ex>
    • 額面100万円、利率0.5%の債券の場合
    • 利子は 100万円×0.5%=5,000円(税引き前)になる
  • 定期的に利子を受け取ることができる債権を
    • 利付債という
  • 利子を受け取ることができない代わりに、額面より安く発行される債券を
    • 割引債という

利付債

  • 定期的に一定の利子が支払われる債券
    • 年に1,2回

割引債

  • 利子は付かない
  • 発行価格と償還価格との差額が利益となる債券
  • 償還価格の100円から一定額を割り引いて発行されるので
    • ゼロクーポン債とも呼ばれる

債券の利回り

 投資した金額に対する収益の割合を利回りという

4種類の利回り

  • 応募利回り
  • 最終利回り
    • 一般に利回りと言ったら、最終利回りのことを指す
  • 所有期間利回り
  • 直接利回り

応募者利回り

 新規に発行された債券を購入し、償還期限まで保有した場合の発行価格に対する1年あたりの収益の割合のこと

最終利回り

 既発債(すでに発行されている債券)を時価で購入し償還期限まで保有した場合の購入価格に対する1年あたりの収益の割合

所有期間利回り

 購入した債券を、償還期限まで保有せず、途中で売却する場合の購入価格に対する威年あたりの収益の割合

直接利回り

 債権の購入価格に対する年間の利子の割合

ニート生徒会長

ニート生徒会長

アンダーパー債券では償還差益が発生するので利回りは利率より高くなるよ

オーバーパー債券では償還差損が発生するので利回りは利率より安くなるよ

例題

問題

  1. 利率2%、残存期間5年、購入価格102円の利付国債の最終利回りはいくらか。
  2. 利率0.2%、残存年数10年、購入価格90円の利付国債の直接利回りはいくらか。
  3. 利率2%の利付国債を100円で買い付け、3年後に105円で売却したとくの所有期間利回りはいくらか。

答え

ニート生徒会長

ニート生徒会長

この4つの計算は大事だぞ。

債券の種類

国債

 国の発行する債券のこと。

  • 信用度はすべての債券の中で最も高い

種類

  • 信用度はすべての試験の中で最も高い
  • 中期国債(2年満期と5年満期)
  • 超長期国債(20年、30年、40年満等)がある

 通常もっとも新しく発行された10年満期の固定利付国債の最終利回りを長期金利と呼んでいる。

個人向け国債

 購入者を個人に限定する国債

現在3種類ある

  • 10年変動金利型
  • 5年固定金利型
  • 3年固定金利型

特徴

  • 発行から1年経過後に中途換金が可能
  • 国が額面で買い取ってくれる
    • 価格変動リスクはない
    • 元本保証ということ
  • どの金融機関で購入しても同じ利率

内容

  • 購入単位
    • 額面1万円単位
  • 発行
    • 毎月
  • 利払い
    • 半年ごと(年2回)
  • 金利(利率)
    • 10年変動金利型
      • 基準金利×0.66
      • 市場の金利状況に応じて6カ月ごとに見直される
    • 5年固定
      • 基準金利ー0.05%
    • 3年固定金利
      • 基準金利ー0.03%
  • 下限金利
    • 0.05%
    • 金利はこれ以下にはならない
  • 中途換金
    • 発行から1年経過後より可能
    • 国が額面で買い取ってくれる
  • 利子に対する税金
    • 申告不要または申告分離課税のどちらかを選択

債券価格の変動要因

市場金利の変動により大きく影響を受ける

  • 市場金利が上昇すると
    • 債券価格は下落
    • 利回りは上昇
  • 市場金利が低下すると
    • 債券価格は上昇
    • 利回りは低下
  • 企業の発行する社債の価格は
    • 発行会社の業績の影響を受ける
    • 株価の影響なども受ける

債券のリスクと格付け

債券のリスク

価格変動リスク(金利リスク)

  • 市場金利の変動により、債券価格が変動するリスク
  • 長期債低クーポン債(低金利債)ほど価格変動が大きい

デフォルト・リスク(信用リスク)

  • 債券の利子および元金の一部または全部が支払い不能になったり、支払いが遅れたりするリスク
  • 低価格漬け債ほど大きい
  • 一般的にデフォルト・リスクが高い債券ほど価格が安く、利回りは高くなる

カントリー・リスク

  • 外国債券に投資した場合、その国の政治経済情勢等の変化により、価格変動が生じたり、資金の回収が不能になったりするリスク
  • 新興国の債券ほどリスクが大きい

債券の格付け

 債券のデフォルト・リスクの目安となり、各債券の発行者の信用度を示している。

  • 格付けがBBB以上の債券を
    • 投資適格債という
  • 格付けがBB以下の債券を
    • 投資不適格債という
    • ハイ・イールド債ともいう
    • ジャンク債ともいう
    • 投機的とみなされる
    • ハイリスク・ハイリターン
  • 格付けが高い債券ほど
    • 信用度は高い
    • 信用リスクが低い
    • 価格が高い
    • 利回りは低い
  • 格付けが低い債券ほど
    • 信用度は低く
    • 信用リスクが高い
    • 価格が安い
    • 利回りは高い
    • 利回りが高くないと、誰も買ってくれない

参考書 購入リンク

↑amazonで購入する場合は上の画像をクリック

関連記事