ニートの独断と偏見による評価
(3 / 5) 宗教観は日本人にはわかりずらいかもしれません
目次
ストーリー
北アイルランド・ベルファスト。この街に生まれて育った少年バディは、毎日楽しく過ごしていた。
1969年8月15日、平和な光景は一変する。宗教の違いが分裂を生み、プロテスタントの過激派集団が街で暴動を起こす。カトリック教徒を追い出すとして、お店を襲っては食料を強奪し、恐怖を与えるために停めてある車を爆破する。
地元の人たちは、バリケードを構え物騒な気配を漂わせるようになった。そんな雰囲気の中での暮らしは、いつもと変わらない。学校に通い、好きな人ができて、友達とバカなことをする、夜には家に帰りビデオをみる。愛しい毎日がある。
プロテスタントの暴動は激しさを増していき、母親は精神的にまいっていく。そんななか、父が出稼ぎ先で成功を納め、ロンドンの会社で正社員になる話がきた。ベルファストに残るか、安全な所へ引っ越しをするかの選択をせまられる。
スタジオ・キャスト
映画スタジオ
配給:パルコ、ユニバーサル映画
監督
脚本・監督:ケネスブラナー
撮影監督:ハリス・ザンバーラウコス
キャスト
- 俳優:ジュード・ヒル / 役:バディ
北アイルランド。ギルフォード出身のドラマなどで活躍が期待されている少年です。
本作で俳優として、長編映画デビューとなりました。
- 俳優:カトリーナ・バルフ / 役:バディの母(マ)
ファッションモデルとして活躍し有名な女優さんです。ドルチェ&ガッバーナ、H&Mなどの公告に起用されているため、見たことのある人もいるかもしれません。
今は女優業を中心にお芝居しています。「スーパーエイト」「グランド・イリュージョン」とモデルの延長のような配役から進化し、現在では母の役を演じているのです。
- 俳優:ジェイミー・バーナン / 役:バディの父(パ)
この方も人気モデルでした。
なんというか、歳をとってもイケメンは絵になるものです。(それほど歳はとっておりませんが)
『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のクリスチャン約で一躍注目されました。
- 俳優:ジュディ・デンチ / 役:バディの叔母(グラニー)
すごい頻度で、この方が出演する映画を観ています。イギリスを代表する大女優です。ヴィクトリア女王役で知られています。
世界観
1960年代から1998年の和平合意に至るまでに約3600人の死者を出した暴動が舞台です。キリスト教徒の最大教派ではあるローマ・カトリック教会の在り方に疑問符をもった人たちが、新しくたちあげたルター派やカルヴァン派などをまとめてプロテスタントと呼ばれました。
国王ヘンリー8世が離婚問題をきっかけにカトリックから離反し、隣のアイルランド島への植民に力をいれました。そのため、国の植民者がカトリックから土地を奪うという構造ができあがていきます。
1921年にイギリス政府と独立派は講和条約を締結し、1922年にアイルランドは自治権を得ました。そしてプロテスタント多数の州はこれを境に、「北アイルランド」として「アイルランド自由国」から離脱します。
そして、「北アイルランド」で他民族国家を受け入れないプロテスタントが差別こうから始まり、ベルファストの暴動という悲劇が起きてしまうのです。
宗教観があるないにかかわらず楽しく暮らしている子供たちと、紛争までに発展してしまう宗教の対立を学べます。
日本にいると宗教の考え方は理解できない部分ですが、触れてはならない爆弾のような価値観があるということの、いい教材になるのではないでしょうか?
自宅で映画を観るなら