目次
株式と株主
株式会社では、多くの資金を集める方法として、株式を発行することもできる。
株主の権利
- 経営参加券(議決権)
- 株主総会に参加し、議決権を行使する権利
- 議案に賛成や反対をする権利
- 利益配当請求権
- 会社の利益を配当として受け取る権利
- 残余財産分配請求権
- 会社が解散したときに残った財産を分配してもらう権利
証券取引所
東京、大阪、名古屋、札幌、福岡に取引所があり株式などの取引が行われている。
- 東京証券取引所(東証)
- 東証一部市場
- 東証二部市場
- 新JASDAQ(ジャスダック)
- 新興企業を対象とする
- 比較的若い会社を対象とする
- マザーズ
- 新興企業を対象とする
- 比較的若い会社を対象とする
経営統合した大阪と東京
- 東京証券取引所と大阪取引所は経営統合し、日本取引所グループになった
- 株の取引はすべて東京証券取引所
- 先物やオプションなどのデリバティブ取引は全て大阪取引所で行われる
株式の売買単位
単元株式(売買単位)
- 株式を売買する場合の最低売買単位のこと
- 原則、100株単位となっている
- 株主には1単元につき1個の議決権がある
- 通常、株式は証券会社を通じて取引所で売買される
株式ミニ投資(ミニ株)
- 通常の売買単位の10分の1の単位
- 売買単位が100株の場合は10株
- 株式ミニ投資口座を開設しなければならない
- 約定日は注文日の翌営業日
- 約定価格は翌営業日の始値と決められている
- 始値:最初の値段
- 指値注文はできない
- 指値注文:価格を指定する注文
累積投資制度(るいとう)
- 毎月一定日に同じ株式などを一定金額ずつ購入していく制度
- 給料日など
- 少額の資金で株式などを積立方式で購入できる
- ドルコスト平均法という投資効果がある
ドルコスト平均法
- 毎月一定の購入金額で同じ株式などを買い付けること
- 購入金額が一定なので
- 株価が高いときは購入株数が減る
- 株価が安いときは購入株数が多くなる
- 長期的に購入単価を安定させる効果が期待できる
ニート生徒会長
出た!ドルコスト平均法。投資の神様の本でも紹介されているバイブル。もう、何十年もロングセラーのモンスター書に乗っている方法は、FP3級で習う教養の知識だったのか!!
価格の決定方法と注文方法
価格の決定方法
- 取引所での株式の取引価格はオークション方式によって決まる
- 前日の終値を基準として価格優先・時間優先の原則に従い、競争売買によって決まる
価格優先の原則
- 売り注文の場合は
- より、低い価格の注文が優先される
- 買い注文の場合は
- より、高い価格の注文が優先される
時間優先の原則
- 注文価格が同じ場合は
- 注文した時間が早い方が優先される
注文方法
指値注文
- 価格を指定して注文を出す方法
- 1,500円以上が売りたい。1,000円以下で買いたい。など
- 買い注文の場合
- 買いたい値段の上限価格を指定する
- 売り注文の場合
- 売りたい値段の下限価格を指定する
成行注文
- 価格を指定せずに注文を出す方法
- いくらでもいいから売りたい買いたい
- とんでもない価格で約定することもある
- 指値注文より成行注文の方が優先して、取引が成立する
値幅制限
- 証券取引所では、1日の株価の変動の幅を制限している
- 株価が上限まで上がることをストップ高
- 株価が下限まで下がることをストップ安という
株式の売買の種類と決済日
現物取引
- 投資家が自分の資金で買ったり、自分で保有している株式を売ったりすること
信用取引
- 投資家が証券会社から資金や株を借りて、株式を売買すること
売買の決済日
- 約定した日から起算(約定日を含む)して3営業日
- 土日などの休日は含めない
売買高(出来高)と売買代金
- 証券取引所で売買が成立した株数のこと
- 1,000株の売り注文と1,000株の買い注文があり、1,000円で取引が成立した場合
- 売買高は、1,000株
- 売買金額は、1,000株×1,000円=100万円
- 株式の売買にかかる売買手数料は自由化されている
- 証券会社ごとに異なる
株価指数
日経平均株価(日経225)
- 東証一部に上場している株式の中の代表的な225銘柄の株価の平均
- 指数の連続性を失わせないように調整した修正平均株価になっている
- 株価の高い銘柄の変動を受けやすい
- 株価の高い銘柄の値をさ株という
東証株価指数(TOPIX)
- 東証一部に上場している全銘柄の価格に、その上場株数を掛けた合計と、基準となる時価総額を比較した指数
- 全銘柄の価格に、その上場株数を掛けた合計を時価総額という
- 基準時の時価総額(100)に比べてどのくらい増減したのかを表す
- 時価総額加重平均株価指数という
- 時価総額の大きな銘柄の株価の変動に影響しやすい
JPX日経インデックス400(JPX日経400)
- 東証二部、マザーズ等に上場する企業も含める
- 自己資本利益率(ROE)営業利益や時価総額等が一定の条件を満たす400銘柄で構成した時価総額加重平均株価指数
米国の代表的な株価指数
- NY(ニューヨーク)ダウ平均株価は
- 米国の代表的な30銘柄の平均株価
- S&P500種株価指数
- 米国の各取引所に上場している代表的な500銘柄を対象にした時価総額加重平均株価指数
株式の投資尺度
株価収益率(PER:Price Earning Ratio)
- 株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかをみる指標
- 一般的な判断基準
- 株価が割安か割高か
- 同業他社や過去の数値と比較して
- 株価収益が高くなるほど割高
- 株価収益が低い場合は割安と判断する
計算式
株価収益率(倍)(PER)=$\frac{株価}{1株あたり当期純利益(EPS)}$
1株あたり当期純利益(EPS)=$\frac{当期純利益}{発行済株価総数}$
問題
資本金100億円(発行済み株式総数5億円株)、当期純利益(税引後)50億円、株価1,000円の会社の1株あたり当期純利益(ESP)および株価収益率はいくらか。
答え
1株あたりの当期純利益(ESP)=$\frac{50億円}{5億円}$=10円
株価収益率(PER)=$\frac{1,000円}{10円}$=100倍
株価純資産倍率(PBR:Price Book-value Ratio)
- 株価が1株あらり純資産の何倍まで買われているかを見る指標
- PERと同様の判断基準
- 株価が割安か割高か
- 株価純資産倍率が1倍より
- 大きくなるほど割高
- 小さくなるほど割安
計算式
株価純資産倍率(倍)(PBR)=$\frac{株価}{1株あたりの純資産(BPS)}$
1株あたりの純資産(BPS)=$\frac{純資産総額}{発行済株式総数}$
問題
1株あたり純資産300円、株価450円の会社の株価純資産倍率(PBR)はいくらか。
答え
株価純資産倍率(倍)(PBR)=$\frac{450円}{300円}$=1.5倍
自己資本利益率(ROE:Return On Equity)
- 自己資本を使って、どんだけ最終利益をうみだしているかを見る指標
- 自己資本:株主から集めた資金の合計額
- 最終利益:当期純利益
- その会社の収益力を表している
- ROEが高いほど会社の収益力が高いと言える
計算式
自己資本利益率(ROE)(%)=$\frac{当期純利益}{自己資本}$×100
問題
自己資本が100億円、当期純利益5億円の会社ROEはいくらか。
答え
自己資本利益率(ROE)(%)=$\frac{5億円}{100億円}$×100=5%
配当利回り
- 1株あたりの配当金の額を株価で割ったもの
- 配当金の額は一定ではなく、業績により変動する
- 支払われないこともある
- 株価が同じでも、配当金が少なくなると配当利回りは低下する
計算式
配当利回り(%)=$\frac{1株あたり配当金}{株価}$×100
配当性向
- 当期純利益に対する配当金額の割合を示すもの
計算式
配当性向(%)=$\frac{(1株あたり)配当金}{(1株あたり)当期純利益}$×100
問題
株価1,000円、1株あたりの年配当金が10円、1株あたり当期純利益が50円の会社の配当性向はいくらか。
答え
配当利回り=$\frac{10円}{1,000円}$×100=1.5%
配当性向=$\frac{10円}{50円}$×100=20(%)
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