目次
雇用保険の目的
- 失業時の給付
- 再就職の支援
- 失業者に対する職業訓練のための給付
- 雇用の継続に必要な給付
雇用保険の概要
- 被保険者(対象者)
- すべての労働者
- パート社員や派遣労働者については一定の要件に該当する場合に被保険者となる。
- 65歳以上で新たに雇用された者も対象
- 雇用保険の対象外となる者
- 法人の役員
- 個人事業主とその家族
- 窓口
- 公共職業安定所(ハローワーク)
- 保険料
- 事業主と労働者の両方が負担
- 負担割合は業種により異なる。
- その他
- 原則、労働者を雇用するすべての事業所で適用
パート社員や派遣労働者の加入要件
- 現状31日以上の雇用見込みがあること
- 一種間の所定労働時間が20時間以上あること
雇用保険の種類
- 求職者給付
- 失業者の求職活動中に支給される。
- 就職促進給付
- 基本手当の支給期間中に再就職した場合に支給される。
- 雇用継続給付
- 高齢で働いている者や育児、介護をしている者に支給される。
- 教育訓練給付
- 労働者の能力向上のために厚生労働大臣指定の教育訓練を受けた場合に支給される。
求職者給付
求職者給付のベースとなるものが基本手当である。
基本手当の給付要件
- 定年や自己都合による退職の場合
- 離職日以前の2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上あること。
- 倒産や解雇などの場合
- 離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上あること。
- 働く意欲と能力はあるが職業に就くことができないこと。
ニート生徒会長
実際には、相談回数とか面接に行く就職に関するセミナーの受講などの就職活動実績が求められる。
基本手当の給付日数
給付日数は退職理由によって異なる。以下表1と表2にまとめる。
表1.基本手当の給付日数ー退職理由「倒産・解雇・雇止め」の場合ー
被保険者期間 (離職時の年齢) | 1年未満 | 1年以上 5年未満 | 5年以上 10年未満 | 10年以上 20年未満 | 20年以上 |
---|---|---|---|---|---|
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ー |
30歳以上 35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上 45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上 60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上 65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
表2.基本手当の給付日数ー退職理由「自己都合退社・定年退職」の場合
被保険者期間 | 1年未満 | 1年以上 10年未満 | 10年以上 20年未満 | 20年以上 |
---|---|---|---|---|
年齢は関係しない | ー | 90日 | 120日 | 150日 |
基本手当の受給期間
- 離職日の翌日から1年間
- 出産や育児等で仕事ができない場合は最長3年延長可能
- 最大4年間受給できる。
待機期間
- 倒産・解雇の場合
- ハローワークで需給の申し込みを行った後、7日間の待機期間がある。
- 待機期間中は基本手当が支給されない。
- 自己都合の場合
- 7日間の待機期間後、さらに3カ月の待機期間がある。
- 合計3カ月7日間は基本手当は支給されない。
雇用保険の給付と厚生年金
- 構成年金を受給できる65歳未満の者が、雇用保険の基本手当を受給する場合
- 雇用保険の受給が優先される。
- 厚生年金は全額支給停止になる。
雇用継続給付
給付の種類
- 高年齢雇用継続給付
- 育児休業給付
- 介護休業給付
高年齢雇用継続給付
高年齢雇用継続基本給付の対象者
- 60歳以後も継続して働く場合
- 60歳時に比べて賃金が75%未満に低下したとき
- 5年以上雇用保険の被保険者期間がある65歳未満の者
高年齢雇用継続基本給付の給付額
- 60歳以後の賃金×一定率
- 60歳時点での賃金の61%以下に低下した場合
- 最高で、60歳以後の賃金×15%
高年齢再就職給付金の対象者
- 雇用保険の基本手当を受給している。
- 基本手当を受給できる日数を100日以上残して再就職
育児休業給付
給付対象者
- 育児休業をとっている。
- 休業前の賃金の80%未満になった者
- 男女は問わない。
- 育児休業前2年間のうち、1カ月に11日以上働いた月が12カ月以上あること。
支給要件
- 原則、1歳未満の子どもを養育するために育児休業をとった場合
- パパママ育休プラス制度を利用する場合は1歳2カ月未満の子ども
- 保育園等が見つからない場合は最大2歳未満の子ども
支給額
- 休業前の賃金の50%が原則
- 当初6カ月(180日間)に限り、休業前の賃金の67%(3分の2)相当額
介護休業給付
配偶者、父母、子どもを介護するために休業する場合に支給される。
支給額
- 休業前の賃金の67%相当額
- 最高で93日間
- 93日以内であれば3回に分割して取得できる。
ニート生徒会長
65歳以上の者も育児休業給付や介護休業給付の対象
教育訓練給付
一般教育訓練給付
- 対象者
- 雇用保険に3年以上加入している労働者
- 65歳以上を含む
- 厚生労働大臣指定の教育訓練の受講を終了した者
- 過去に教育訓練を受けたことがない者
- 教育訓練を開始した日までの雇用保険の加入期間が原則、1年以上ある者
- 雇用保険に3年以上加入している労働者
- 給付額
- 受講費用の20%(上限10万円)