映画批評「ツユクサ」

ニートの独断と偏見による評価

4.4 out of 5 stars (4.4 / 5) 狭いコミュニティーの人間模様が面白い

ストーリー

 小さな田舎町でひとり暮らしをしている。同じ工場で働く直子と妙子とは、大の親友だ。

 直子の息子、航平には「芙美ちゃん」とよばれ、友達のように接している。

 以前お酒で大失態をしたことから、断酒の会に入会している。それもあって、しばらく顔をだしていなかったバーを訪れていた。

 芙美には過去がある。寂しさからかバーを訪れたものの、お酒は飲めず、ナポリタンを食べながらマスターと他愛もない話をするのだった。

 バーにはもう一人、ジョギング中によく見かける誘導員の男性がいた。草笛を吹いている印象があり、それをキッカケに話が弾む。

「これツユクサです。草笛にすると、いい音が鳴るんです」

 バーの玄関外で、名残惜しそうに男性はいう。

「篠田吾郎です」

 50歳を目前に、芙美に新しい幸せが訪れようとしていた。

スタジオ・キャスト

映画スタジオ

 制作プロダクション:東映東京撮影所

 作成幹事:朝日新聞社
      東映ビデオ

 配給:東京テアトル

監督

  • 平山秀幸

 90年代に「学校の怪談」で大ヒットしました。国内外で高い評価を受けている人気の映画監督です。

キャスト

  • 俳優:小林聡美 / 役:芙美
役どころ

 過去に酒に溺れて失敗するも、田舎町で暮らし楽しく暮らす女性です。人と接しながら、平々凡々と過ごしていました。

 田舎ならではの強烈なアイデンティティが周りの環境にあり、飽きない日常を繰り返すも、どこか過去に引っ張られてしまいます。

  • 俳優:松重豊 / 役:篠田吾郎
役どころ

 かなり寂しさを感じるような男性です。

 仕事の合間に草笛を吹いていたり、夜にはバーでチビチビと1人飲んでいます。

 そして、積極的なところがある芙美に、惹かれていくのです。

 吾郎(五郎)というのはわざとなのでしょうか?

  • 俳優:斎藤汰鷹 / 役:航平
役どころ

 宇宙に詳しい少年です。もうすぐ50になるおばさんを親友に持ちます。

 大人の事情や子どもならではの事情に振り回されるも、まだまだ素直な感情をもっているのです。

 勉強の成績はよくないが、図工や音楽は楽しく学べています。宇宙について興味があり、大人に対して人見知りをしない性格です。

世界観

 小さな田舎町のヘンテコな人間関係や恋愛模様というのが、なんだか面白いです。恋って変って漢字によく似ています。

 人と接するときに生じる変なところ、それが恋愛となってストーリーになります。

 ストーリーにするには、音楽と同じように主音と主音の間に不安定な音を挟まなければ成立しません。ですが、この映画は不穏な部分が後に残らず、面白かったで帰れる映画でした。

 ゴールデンウイークの楽しい感じを維持するのに、うってつけなのではないでしょうか。

イチオシ場面

 吾郎が箸持って、食べるシーンです。

 他にも笑いどころが散りばめてあり、ほのぼのとした内容でありながら、飽きることがありません。


自宅で映画を観るなら

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です