ARIA The ANIMATIONから15年、もうそんなにたったのか。
目次
ARIAの世界観
天野こずえファンのための、ヒーリングアニメ。テンポよく展開していくストーリーにはストレスを感じませんが、テンポがのんびりとしていてもストレスを感じさせない。ゆっくりとした世界観で優しいストーリーが展開してくのは、まるで異国を旅するかのような感じにさせられる。
ネオベネツィア、世界で一番の世界遺産の数を誇るイタリアを模した背景と嘘のように静かな波。歴史を感じさせるような建物とアニメの建物や景色が入り交じり、水先案内人がゴンドラ船と一緒に案内される景色が、優しい。今回の映画でも出てきたロウソクはローマでは行事のたびにでてくるような生活必需品。異国の文化とアニメの夢ある設定が心を和ませてくれるのだ。
今回のストーリー
過去のアリスのプリマ昇格試験でのお話が肝となる。
アリスはアーニャの先輩である。アーニャが路地裏を歩いていると、デジャブに襲われる。「あれっこれは誰の記憶かしら?」そんなような冒頭から始まり、アリスとアテナの関係性を思わせるところから物語がはじまる。
アリスは自分とアテナ先輩と比べてアーニャをちゃんと育てられているのか、負い目を感じていた。負い目を感じているのが拗れてアテナ先輩とギクシャクしてしまう。そして、後輩に会いたいアテナ。凹んでいるアリスを「最近、先輩がおかしい。」と周り相談しまくるという。すれ違う関係が完成する。
まぁ社長は何の動物?
アリスは周りよりも早く技術を習得してしまったため、まだ精神面が追いつかないままプリマへ昇進してしまった。アテナは、そんな早く成長してしまうアリスに対して「ゆっくりでいいのに。」そんな風に思っていた。精神的自立を心配すると同時にもっとアリスといたいという、心の葛藤があった。「プリマに昇格しなければと良いのに。」試験の時にそんな思いを抱えていたことを、未だにアテナは心残りに思っていた。
アリスの中では、アテナはドジな先輩である以上に、心の支えとして、良い先輩として綺麗な出来事と一緒に存在していた。普段の習慣がつまらなく感じた時も、周りから天才だと思われて悩んでいた時も、大事なところで的確なアドバイスをくれたのはアテナ先輩だった。そんな先輩に今の後輩を育てられない自分が会うべきではないとコジれる。
アテナは今では売れっ子歌手である。後輩のアリスと会える機会が少ない。少ないにもかかわらず、アリスは会ってくれない。そんな、2人を合わせるキッカケづくりに後輩たちが灯里や藍華を巻き込みながら、日々の業務の合間を縫って試行錯誤する。そんな、アーニャ達をみるにみかねた晃大先輩が一肌脱いで、物事が良い方向へ傾きだす。
感想
たった1時間。そして、疲れない映画。綺麗だったし、癒される。
天才が抱える悩みなんて感じることはないだろうけれど、自分が思っているより出来事が進んでいってしまう事はある。現実でも、いっぱいあるよね。誰もが灯里とアリシアの関係のように、進まなくてはならないことをわかっていて、お互いにギリギリまでゆっくりとワガママと物事のバランスをみることができるだろうか。ゆっくり進むことは悪い事ではないかもしれない。