映画批評「さかなのこ」

ニートの独断と偏見による評価

4 out of 5 stars (4 / 5)

ストーリー

 好きなものの絵を書くことが大好きな小学生のミー坊。資金はタコさんの絵を書いている。それに付き合う母ミチコ、ミー坊がリクエストするお魚料理を毎日作り、ミー坊を毎週のように水族館に連れて行いく。

 高校生になってもお魚への熱は冷めることがなかった。誰よりも魚に詳しく、カブトガニの人工孵化に成功させる。

 しかし、魚以外の勉強は全くできなかったミー坊。大人になり水族館や寿司屋で働くものの、思っていたのと違うと迷走する。

 人生がうまくいかず、やけ酒を飲んで、その勢いで商店のシャッターにリアルなシシャモの絵を描いてしまう。その絵に人だかりができるのだった。

スタジオ・キャスト

映画スタジオ

東京テアトル

監督・脚本

  • 沖田修一

脚本

  • 前田司郎

キャスト

  • 俳優:ギョギョおじさん / 役:さかなクン

 東京海洋大学名誉博士・客員教授、画家。館山市在住。

 小学6年生のときに自由課題として出していたお魚のレポートが先生の間で話題になり、今週のミー坊新聞として張り出されることになります。

 中学3年生のときにカブトガニの孵化に成功し、新聞の取材を受けました。

 高校3年生では「TVチャンピン」に出場し、準優勝を飾ると、そのご同番組で5連覇を達成します。

 21歳のときにバイト先のお寿司屋さんで3カ月かけて書いた壁画が評判になり、イラストを描く仕事が入るようになりました。

さかなクン

さかなクン

ギョギョ!!さかなクンも、お魚の道をどう進んでいくのが正しいのかがわからずにグネグネしてきましたが、ミー坊ちゃんの道もまっすぐではないので共感する部分がとって多いです。

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世界観

 今や世界の海洋博士となった、さかなクンの半生が映画で、たった2時間で観れます。

 館山の道の駅に無料で開かれている魚の展覧会場があるのですが、その一角にさかなクンの魚の絵が拝見できる場所があるのです。その1つの絵の情報量の多さに、ホントにビビります。コレが、寿司屋の壁絵になったら、そりゃあ話題になります。

 魚についての知識で、伝えたい内容がたくさんあるのでしょう。その内容が上手なイラストの上にビッシリと書かれていて、鳥肌が立ちました。

 ハコフグも今では肝に致死毒が作られて蓄積されるようになり、一番おいしい部分が食べられなくなってしまいました。「ハコフグ昔食べました」とよく言われるようで、さかなクンとしても「今は肝に毒があるので、食べない方が良い」と真面目に注意しなければならない事態が発生しています。環境汚染はさかなクンにもダメージを与えているようです。

 この映画の中で一番評価できるとしたら、それはミー坊の母でしょう。どうしても、大人の価値観で、子どもを縛ってしまいそうになると思います。けれど、ミー坊の母は、自由に魚の知識を吸収していくことを応援していました。なかなかなれないけれど、親になるならば、こんな親でいたいと思います。


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