私の独断と偏見による評価
(3.9 / 5)目次
ストーリー
映画館「朝日座」はすでに閉館が決まっていて、支配人の森田は意を決して35ミリフィルムを火のついている一斗缶に放り込んでいた。そこに現れたのは「茂木莉子」と名乗る20代の女性。「朝日座」を立て直すために東京からやってきたという。
莉子には、高校の時から特にお世話になっている恩師がいた。恩師との時間には、色々な映画があった。莉子が不安定な時にこの人の存在があった。そんな人の余命幾ばくかのときにお願いをされる。そのお願いは「南相馬にある朝日座を良い映画館だから、立て直してほしい。」というものだった。
莉子は不動産屋に駆け込み取り壊すのを待ってほしいとお願いし、クラウドファウンディング立ち上げて、近所にチラシを配って回った。
果たして、恩師の思い出が詰まった映画館を、立て直すことはできるのか?「朝日座」の運命はいかに……。
スタジオ・キャスト
配給
ポニーキャニオン
監督
- タナダユキ
福岡県出身。
2001年「モル」で監督デビュー。2004年劇映画「月とチェリー」が英国映画協会の「21世紀の賞賛に値する日本映画10本」選出。2008年には脚本・監督を務めた「百円と苦虫女」で日本映画監督協会新人賞及びウディネファーイースト映画祭で観客賞を受賞、その後も「俺たちに明日はないッス」「ふがいない僕は空を見た」「四十九日のレシピ」「ロマンス」「お父さんと伊藤さん」「ロマンスドール」などの話題作を世に送り込んできました。
ニート生徒会長
この映画に使われる映画のラインナップを見ると、ほんとに映画が好きなんだな。と感じる監督さんです。大久保さんの魅力に気づいていて、この配役なのでしょうか?ミュージカル然とした高畑さんを適応しても不自然なところが無かったです。女性監督ならではの感覚というか、理論的にやっていないというか、狙ってやっていないというのが感じる凄さを感じました。
キャスト
- 俳優:高畑充希 / 役:茂木莉子(浜野あさひ)
俳優紹介
1991年、大阪府出身。
ミュージカル「ピーターパン」で長年主演を務めあげました。その後、連続テレビ小説「ごちそうさん」「とと姉ちゃん」で注目を浴びました。
「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」で日本アカデミー賞・優秀助演女優賞を受賞し、11月にはWOWOWにて連続ドラマW「いりびとー異邦人-」が放送され、今後も活躍が期待されます。
タナダ作品が大好きで、いつかご一緒したいと思っていたそうです。
役どころ
父親の事業が世間から叩かれてしまい、学校で孤立する過去を持つ少女。恩師である田中先生の助けを受けて、大学まできちんと出て好きな仕事にもありつけた真っ当な人生を送れるようになる。コロナで会社が潰れるまでは。
田中先生の影響を受けて、映画好きになる。映画に関しては古いフィルムの作品から比較的最近の作品まで、詳しく映画に精通しており、「朝日座」の映画のプログラムを担当することになる。
ニート生徒会長
「DESTINY 鎌倉ものがたり」「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」のイメージがあったので、ハキハキと聞こえる存在感と夫婦間や恋人関係のやり取りの間で、少しオーバーな印象が違和感として残っていた女優さんでした。
今回の映画は、あれ?、と拍子抜けを食らうくらい自然に違和感なく鑑賞できました。「押しつけがましくない」演技を意識していたのでしょうか?めちゃめちゃ良かったです。
女性の声は、普通にしゃべったり、感情を込めて歌ったりしたつもりがなくても、男性からするとそこに私情が乗っかって聞こえてくる気が致します。映画感の限られた空間の中で、音響が整っていると、凄い影響力を感じわけですよ。だからこそ、自然体で演技されると安心しますw
- 俳優:柳家喬太郎 / 役:森田保造
俳優紹介
1963年、東京都出身。1989年に柳家さん喬に入門。
NHK新人演芸対象落語部門大賞を受賞、3年連続で国立演芸場花形演芸会対象、演芸選奨部門科学大臣新人賞、などの数々の演芸賞に輝いている。
役どころ
映画が好きで、潰れることにモヤモヤはしていたけれども、朝日座をたたむことを受け入れようとしていた中年オヤジ。
いい映画は知っているけれども、映画のプログラムを組むセンスがいまいちな館長です。
口は悪いけれども、人が良い。地元に愛されるリハビリ施設付きスーパー銭湯を作りたいという、もっともらしい口車に人のために立つためならと、映画館を手放す意を固めてしまうほどのお人よし。
ニート生徒会長
この複合型施設は、たぶん数年後潰れるでしょうね。
ケアマネに臨床検査技師、整体関連といった人の配備、銭湯とリハビリがなかなか結びつかない。機械浴どうするの?とか凄い微妙。維持していくのに高額な料金設定になりそうだし、とにかく集客層が見当たらなくて、流行らなそうだ。
潰れるスーパー銭湯に売り渡してしまうのか?どうなのか?
最終的に近所の人たちが選んだ選択もなっとくがいくものでした。
- 俳優:大久保佳代子 / 役:田中茉莉子
俳優紹介
1971年、愛知県出身。光浦靖子と「オアシズ」を結成する。
OLで働いていた経歴もあるタレントさんで、気取らない雰囲気で「ノンストップ」「ゴゴマス」といったメディアにレギュラー出演をして活躍しています。
「闇金ウシジマくん Part2」「ねこあつめの家」「喜劇 愛妻物語」「名もない日」等、数多くの作品に俳優としても出演している。
役どころ
「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」さんは、生徒に人気のあるいつも自然体な先生です。先生としては、生徒を思いやる素晴らしい感受性がある一方で、私生活は男にだらしがない、男性が出入りしている割には部屋がちょっと汚い、と人間味あふれる人柄です。
ニート生徒会長
大久保さんはなんかズルい。
自然体で、ここまで世の中のOLさんに影響がありそうな人はいないんじゃないでしょうか?
ラジオなどで「ここのお菓子、ほんとに美味しかったー。」と何気に噓偽りなく宣伝すれば、コレは絶対OLさんが昼休みに買いに行くじゃんというやつです。
田中茉莉子さんの人間味あふれる役は大久保さんにピッタリな役で、この映画を観てもらえば過去に賞をとっていることが納得できるでしょう。
世界観
いらっしゃいませ、ようそこそ映画館へ
朝日座は福島県南相馬市に実在する映画館です。
関東大震災のあった1923年に開館しました。
数々の災禍でも消息をまぬがれ、
東日本大震災では住民が集う心のよりどころとなりました。
長く街の人々の暮らしとともにあり、今もなお思い出を育んでいます。
この映画の中で、映画作品が数多く登場します。「グラン・トリノ」「天使にラブソングを」「台北暮色」わかる映画だけでも、面白かった作品しかありません。きっと他に登場する作品も面白いのだろうなと思わせるような、映画好きも納得のラインナップがそろっていること、間違いなし。
「青空娘」「喜劇 女の泣きどころ」とかは流石にわかりません…でもきっと面白いと思います。
暗い部分も作らなければ物語として成立しませんので、結構しんどい人間関係が描かれてはいるのですが、それを感じません。
イチオシ場面
なんといっても、大久保佳代子さん演じる田中茉莉子さんが死ぬ間際に残した最後のセリフでしょう。大久保さんだからこそ、のぴったりなセリフです。
茂木莉子と森田の口の悪いやり取りも、どこかほっこりするような雰囲気があって、笑えて、気合のない感じで楽しめました。
ドラマ版も配信しています。(2021年9月10日現在)
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