映画批評「ダーク・ウォーターズ」

ニートの独断と偏見による評価

2 out of 5 stars (2 / 5)

 PFOAと聞いて、「ちょっとしたジョークと環境問題への苦言」と捉えられる人なら観ても影響されないでしょう。冗談とわからずに受け取ってしまう人には、微妙な作品となっています。必ずしも環境問題へ関心がいくような、映画になっていません。

 主人公にスーパーミュータント、ハルクを起用しているのもジョークなのだと思います。ただ、わかりにくい。最後のテロップで、ほとんどの人間にPFOAは存在していると書いて、気付ける人がどれだけいるでしょうか。

ストーリー

 人のいい主人公が、工場の廃棄物で汚染された環境が酪農に影響を与えている事実を知る。農場では、牛がほぼ全滅していて、残った牛は頭がおかしくなっていた。

 大手デュポンと対峙する日々が始まる。

トレーラー

感想

 工場勤務でもないのに、公害防止管理者の水質編の教科書を読んだことがある変態は私くらいでしょう。テキストはかなり分厚いものになっています。公害にならないように排水するのは、それだけの知識が必要になるということです。

 工場の規模や種類、あるは地域で、臨機応変な公害対策をすることが求められています。日常にありふれたものでも、既定の範囲を超えてしまえば毒となります。そして、行き過ぎれば公害になります。

 たしかに、実話に基づく話なのでしょうが….

 人は、私も含めてかなり騙されやすいです。フューザーで噴霧できる薄め禍た次亜塩素酸ナトリウムを売る、というビジネスが成り立っています。コロナ禍を利用した金儲けです。消毒につかう次亜塩素酸ナトリウム溶液を、業務用にして売るのとは全く違います。カルキの入っている水道水をそのまま使って、フューザーで噴霧するのと変わりません。「次亜塩素酸ナトリウム溶液の濃度の問題だから、それは役立つことではないのか」と思った人は、騙されていたのでしょう。

 話半分で物語を理解する分には、良いメッセージを届ける映画なのではないでしょうか。


自宅で映画を観るなら

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