FP3級公的年金制度編ー遺族年金

 国民年金や厚生年金などの加入者が亡くなった場合に、遺族に支給される年金である。

遺族基礎年金

  • 受給要件
    • 国民年金の加入者(被保険者)が死亡したとき。
    • 老齢基礎年金の受給資格が25年以上ある者が死亡したとき。
  • 受給対象者(遺族)
    • 子のある配偶者(妻または夫)
    • 子で未婚の者(18歳3月末までの者)
    • 受給権のある配偶者を子どもがいる場合は、配偶者に全額支給される。
  • 年金額
    • 子のある配偶者が受給する場合、78万1,700円+子の加算
    • 子の加算額は、子2人までは子1人につき22万4,900円
    • 3人目の子からは1人につき7万5,000円

寡婦年金と死亡一時金

寡婦年金

  • 給付要件
    • 国民年金の保険料納付済み期間(10年以上)を満たしている。
    • 老齢基礎年金障害基礎年金を受給せずに死亡した。
    • 夫と10年以上婚姻期間がある。
  • 給付期間
    • 60歳から65歳に達するまで支給される。
  • 年金額
    • 夫の老齢基礎年金額4分の3
  • 寡婦とは
    • 夫と死別または離婚し、再婚していない者のこと。

死亡一時金

  • 給付要件
    • 国民年金の保険料納付済み期間が3年以上ある。
    • 死亡した者が老齢基礎年金・障害基礎年金のいずれかの支給を受けたことがない。
    • その者の死亡によって遺族基礎年金をうけることができない。
ニート生徒会長

ニート生徒会長

寡婦年金と死亡一時金を当時に受けることはできないので、選択することになります。

遺族厚生年金

給付要件

  • 厚生年金加入者(被保険者)が死亡したとき。
  • 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。

受給対象者(遺族)

 被保険者の死亡当時、扶養されていた以下の者うち、受給順位の高い者のみが受給対象者となる。

  • 第1順位
    • 配偶者
      • 夫の場合55歳以上
  • 第2順位
    • 父母
      • 55歳以上
  • 第3順位
    • 祖父母
      • 55歳以上

年金額

  • 被保険者の老齢厚生年金の報酬比例部分4分の3相当額
  • 被保険者期間が300月に満たない場合は、300月とみなして計算する。

その他

  • 夫、父母、祖父母が受給する場合は60歳から支給される。
  • 夫が死亡した場合、子のいない30歳未満の妻の遺族厚生年金の受給期間は5年間に限られる。
ニート生徒会長

ニート生徒会長

若ければ働けるからね。でも5年間の受給は貰えれば何とかなるさ。

兄弟姉妹は遺族厚生年金の受給対象にならないんだね。そりゃ、そうか。助けなければならない対象にはならないもんね。

中高齢寡婦加算と経過的寡婦加算

 遺族厚生年金に加算されるもの

中高齢寡婦加算

 夫の死亡時に子がいない妻には遺族基礎年金が支給されないため、その救済方法としての目的がある。

  • 対象者
    • 妻が60歳から65歳になるまで
  • 支給額
    • 年額58万6,300円が遺族厚生年金に加算される。

経過的寡婦加算

 妻が65歳になり中高齢寡婦加算が受給できなくなった者が、年金水準を維持するための目的がある。

  • 対象者
    • 1956年(昭和31年)4月1日以前に生まれた妻
  • 支給期間
    • 65歳以後
図.経過的寡婦加算イメージ
ニート生徒会長

ニート生徒会長

結構、50・60代の癌で亡くなられる方を良く目にしてきました。亡くなられる前にお話しを聞くと、親の介護、働きすぎなどが原因だと思わるような事が多いです。大腸がんの場合は発見が難しくステージⅢb以降(末期癌)で症状が出てから発見されたのでは、完治は困難というケースを少ない期間で何人も見てきました。この年金制度があるのも納得です。たまたま、見てきた数が多かったでは説明がつかない。

参考書

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